お酒とダイエットの両立|太りにくいお酒の選び方と飲み方ルール
「お酒はやめたくない。でも痩せたい」——ダイエットで一番よく聞く悩みかもしれません。
結論から言うと、断酒しなくても減量はできます。ただし「太りにくいお酒を選ぶ」だけでは足りません。実際にカロリーを押し上げているのは、酒そのものよりおつまみと締めだからです。
この記事では、お酒別のカロリーと純アルコール量、飲み会1回の実際の試算、そして翌日のリカバリーまでを具体的にまとめます。
アルコールがダイエットに効く仕組み
アルコールは1gあたり約7.1kcal。糖質・タンパク質の4kcalより高く、脂質の9kcalに近い数字です。そのうえで、飲酒には次のような影響があります。
肝臓はアルコールの分解を優先するため、その間ほかの代謝が後回しになる
食欲が増しやすく、普段なら頼まないものを頼んでしまう
判断力が落ちる時間帯に、揚げ物や締めのメニューが目に入る
睡眠が浅くなり、翌日の食欲コントロールと活動量が落ちる
注目すべきは、後半の3つがすべて「酒以外を食べすぎる」経路だという点です。だから対策も、酒の種類を変えることより、周辺の行動を設計するほうが効きます。
「エンプティカロリー」の本当の意味
お酒はよく「エンプティカロリーだから太らない」と言われます。これは誤解を招く言い方です。
エンプティ(空っぽ)が指しているのは、ビタミン・ミネラルなどの栄養がほとんど含まれないこと、そしてアルコールとして体に蓄えておく仕組みがないことです。カロリーがゼロという意味ではありません。
⚠ 「蓄えられない」=「太らない」ではない
アルコールのエネルギーが優先的に使われるということは、その間一緒に食べた脂質や糖質のほうが余りやすくなるということでもあります。太る経路は消えておらず、担当が入れ替わっているだけです。
お酒別カロリー・純アルコール早見表
1杯あたりのおおよその数字です。糖質だけでなくカロリーと純アルコール量も並べると、選び方の判断がしやすくなります。
| お酒(1杯) | カロリー | 純アルコール | 糖質 |
|---|---|---|---|
| ◎ ハイボール(ウイスキー30ml) | 約70kcal | 約10g | 0g |
| ◎ 焼酎 水割り(25度・100ml) | 約145kcal | 約20g | 0g |
| ◎ 辛口ワイン(グラス120ml) | 約90kcal | 約12g | 約2g |
| ◎ 糖質ゼロビール(350ml) | 約95kcal | 約14g | 0g |
| △ 生ビール 中ジョッキ(500ml) | 約200kcal | 約20g | 約16g |
| △ 日本酒 1合(180ml) | 約190kcal | 約22g | 約8g |
| △ 甘い缶チューハイ(350ml・7%) | 約200kcal | 約20g | 約20g |
| △ 梅酒 ロック(60ml) | 約95kcal | 約6g | 約12g |
※ 商品や注ぎ方で幅があります。純アルコール量は「飲んだ量(ml) × 度数(%) ÷ 100 × 0.8」で計算できます。
表を見ると分かるとおり、糖質が少ない=カロリーが低い、ではありません。焼酎の水割りは糖質ゼロですが、量を飲めばビール並みのカロリーになります。度数が高い酒ほど、同じ量でもカロリーは高くなります。
どれくらいまでなら飲んでいい?
厚生労働省の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、1日あたりの平均純アルコール量で男性40g以上・女性20g以上としています。女性は男性より少量で影響を受けやすいとされ、基準も低く設定されています。
注意しておきたいのは、ガイドラインが「この量までなら安全」という線を引いているわけではないことです。がんや高血圧などのリスクは飲む量が増えるほど上がり、少ないほどよいという整理になっています。以下はあくまで自分の飲酒量を把握するための目盛りとして使ってください。
純アルコール20gの目安
・ビール中ジョッキ 1杯(500ml・5%)
・日本酒 1合弱(180ml・15%)
・ハイボール 2杯(ウイスキー30ml×2)
・ワイン グラス2杯弱(120ml×2)
ダイエットの観点で言えば、この20gという線はカロリーで150〜200kcal前後にあたります。1日の目標カロリーの中に収めやすい量なので、「週に何回、1回何杯まで」を先に決めておくと管理がぐっと楽になります。
※ 20歳未満、妊娠中・授乳中の方、体質的にお酒を受けつけない方、服薬中の方は飲酒しないでください。飲酒量に不安がある場合は医療機関にご相談ください。
飲み会1回のカロリーを試算してみる
「酒の種類より周辺が問題」という話を、実際の数字で見てみます。同じ2時間の飲み会でも、頼むものでここまで変わります。
❌ よくあるパターン
- 生ビール中 3杯約600kcal
- 唐揚げ約400kcal
- フライドポテト約300kcal
- 締めのラーメン約600kcal
合計約1,900kcal
◎ 整えたパターン
- ハイボール 3杯約210kcal
- 枝豆約80kcal
- 刺身盛り合わせ約150kcal
- 焼き鳥(塩)3本約210kcal
合計約650kcal
差は約1,250kcal。飲む回数は同じでも、選ぶものだけでこれだけ動きます。しかも酒の杯数はどちらも3杯です。削るべきは酒より揚げ物と締めだと分かります。
飲み方の5つのルール
✓ 空腹で飲み始めない
空腹だと酔いが早く回り、判断力が落ちるタイミングが前倒しになります。行く前にゆで卵1個やプロテイン1杯を入れておくだけで、頼むものがかなり変わります。
✓ 水と交互に飲む(チェイサー)
アルコールには利尿作用があり、飲むほど水分が失われます。1杯ごとに水を挟むと、脱水も飲みすぎも同時に抑えられます。翌日の残り方もはっきり違います。
✓ 最初の1杯を決めておく
「とりあえず生」を「とりあえずハイボール」に変えるだけで、その日の総カロリーは数百kcal変わります。店に入る前に決めておくのがコツです。
✓ 〆の炭水化物は最初から予定に入れない
飲んだあとのラーメン・お茶漬けは、判断力が落ちた状態での追加600kcal前後です。断るのが難しいなら、店を出る時間を先に決めておくほうが確実です。
✓ 週に2日は飲まない日をつくる
肝臓を休める意味に加えて、「飲まない日が普通にある」状態を作っておくと、飲む日の量もコントロールしやすくなります。
おつまみの選び方
◎ おすすめ
- ・枝豆(タンパク質と食物繊維。最初の1品に最適)
- ・刺身・カルパッチョ(高タンパク・低脂質)
- ・焼き鳥は塩(タレは砂糖・みりんで糖質が上がる)
- ・冷奴・だし巻き卵・湯豆腐
- ・サラダ・お浸し・キムチ(先に頼んでおく)
- ・砂肝・ハツ・レバー(低脂質で満足感がある)
❌ 量に気をつけたいもの
- ・唐揚げ・フライドポテト(脂質+衣の糖質)
- ・ピザ・グラタン・チーズ系(脂質が一気に増える)
- ・タレの焼き鳥・煮込み(糖質が上乗せされる)
- ・ポテトサラダ・マカロニサラダ(野菜の顔をした炭水化物)
- ・締めのラーメン・お茶漬け・デザート
コツは最初にタンパク質と野菜を頼んでしまうことです。揚げ物が来る頃にはある程度お腹が落ち着いているので、自然と量が減ります。禁止するより、順番で解決するほうが続きます。
飲んだ翌日のリカバリー
飲んだ翌朝、体重が1〜2kg増えているのはよくあることです。ただしその大半は塩分とアルコールによる水分の増加で、脂肪ではありません。
✓ 水をしっかり飲む
アルコールの利尿作用で失われた水分を戻します。むくみが気になるからと水を控えるのは逆効果です。
✓ 朝食を抜かない
抜くと昼と夜に反動が来ます。卵・納豆・ヨーグルトなどタンパク質を入れておくほうが1日が安定します。
✓ カリウムを含む食材を足す
野菜・果物・海藻・大豆製品など。ナトリウムの排出を助け、むくみが戻りやすくなります。
✓ 1日だけ極端に減らさない
「昨日食べすぎたから今日は絶食」は反動を生みます。前後2〜3日の合計で調整するくらいがちょうどいいです。
減量中の自分がやっていたこと
減量を始めた当初、自分は「お酒をやめる」ことから入りました。結果はうまくいきませんでした。付き合いの席で飲まないでいるのはストレスが大きく、2ヶ月ほどで反動が来て、逆に前より飲むという典型的な流れをたどりました。
やり方を変えたのは、そのあとです。禁止をやめて、代わりに3つだけ決めました。①1杯目からハイボール ②揚げ物は頼まない(人が頼んだものを1つもらうのはOK) ③締めには行かない。この3つを守るだけで、飲み会があった週でも体重の動きが読めるようになりました。
意外だったのが、体感として一番効いたのは締めをやめたことだったという点です。酒の種類を変えるより、22時以降に600kcal追加しないことのほうが数字にはっきり出ました。翌朝の目覚めも別物になり、翌日の食欲が暴れないぶん二重に効いていたと思います。
大会前の絞り込み期だけは完全に飲まない時期を作りましたが、それ以外の期間はずっとこのルールでやっています。長く続けるという意味では、禁止より条件付きのほうが確実でした。
よくある質問
Q. ハイボールなら何杯飲んでも太らない?
A. 太ります。糖質はゼロでもアルコール自体に約7kcal/gのエネルギーがあり、ハイボール1杯で約70kcalです。5杯なら350kcal——おにぎり2個分に相当します。糖質ゼロ=カロリーゼロではありません。
Q. 飲む前にウコンやヘパリーゼを飲めば大丈夫?
A. 二日酔いの体感が変わる人はいますが、摂取カロリーが減るわけではありません。ダイエットの観点では、飲む量と締めを管理するほうがはるかに効きます。
Q. お酒を飲むと筋トレの効果が消える?
A. 「消える」は言いすぎですが、大量の飲酒は筋肉の合成やトレーニング後の回復にとって不利に働きます。トレーニング日の直後に大量に飲むのは避け、飲む日はトレーニングを入れない日に寄せるのが現実的です。
Q. 毎日少量なら健康にいいと聞いたことがある
A. 近年は「少量でも飲まないほうがリスクは低い」という見方が主流になっています。健康のために飲み始める理由はありません。あくまで「飲みたい人がどう付き合うか」という話として読んでください。
まとめ
- 1.アルコールは約7.1kcal/g。エンプティカロリー=ゼロカロリーではない
- 2.糖質ゼロでもカロリーはある。度数が高いほどカロリーも高い
- 3.目安は1日純アルコール20g程度(ビール中1杯・ハイボール2杯)
- 4.差がつくのは酒より揚げ物と締め。同じ3杯でも1,250kcal変わる
- 5.最初にタンパク質と野菜を頼み、水を挟みながら飲む
- 6.翌日は水分とタンパク質。絶食で取り返そうとしない
完全にやめるより、条件を決めて付き合うほうが結果的に長続きします。まずは次の飲み会で「1杯目」と「締めに行かない」の2つだけ決めてみてください。
自分の1日の目標カロリーが分かっていれば、飲み会にどれだけ使えるかも計算できます。サクメシで今の必要カロリーを出しておくと調整しやすくなります。
参考・出典
- 健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(厚生労働省)
- アルコールの吸収と分解(厚生労働省 健康づくりサポートネット(e-ヘルスネット))
- アルコールの作用(厚生労働省 健康づくりサポートネット(e-ヘルスネット))
この記事を書いた人
motsuサクメシ運営 / フィジーク大会入賞会社員をしながら筋トレとダイエットを10年以上続け、フィジーク大会で入賞。90kg台からの減量を経験しています。自分の食事記録と失敗の積み重ねをもとに、続けられる食事管理の方法を発信しています。
プロフィールを見る →本記事は健康的な食生活に関する一般的な情報提供を目的としたもので、医師による診断・治療・処方に代わるものではありません。持病のある方、妊娠中・授乳中の方、通院・服薬中の方は、食事内容を変更する前に主治医または管理栄養士にご相談ください。
無料・登録不要。質問に答えるだけで7日分の食事プランが完成します。
あわせて読みたい
もっと詳しく知りたい方はこちら(note)