運動なしで体重は落ちた。──鏡が変わったのは、そこから半年以上あとだった
「運動なしで痩せられますか」という質問に、一般論としては「痩せられます」と書きました(運動なしで痩せる方法)。消費エネルギーの内訳を見れば、食事を変えるほうが速いのは計算上そのとおりです。
実際、自分が92kgから落とし始めた最初の1〜3ヶ月は運動をしていません。ジムにも行っていないし、走ってもいない。それでも体重は3〜5kg落ちました。ここまでは一般論と同じ結論です。
ただ、あの記事に書いていないことがあります。体重は落ちたのに、鏡はまったく変わらなかった。それでジムに行きました。そして、見た目が変わったと感じるまでに、そこからさらに半年以上かかっています。
この記事は、その順番をそのまま書いたものです。一般論の補足ではなく、自分がどの時点で何をして、何が変わらなかったかの記録です。
先に断っておきます。当時、体重も食事もほとんど記録していませんでした。なのでこの記事の数字はすべて概数で、幅で書いています。週ごとの推移表のようなものは出せません。残っていないものを表にすると、それは記録ではなく創作になるので。
最初の1〜3ヶ月、運動はしていない
やった順番を並べると、こうなります。
| 時期 | やっていたこと | 結果 |
|---|---|---|
| 開始時 | 食事だけ。ジムにも行っていないし、走ってもいない | 92kg |
| 開始から1〜3ヶ月 | 食事だけのまま | 3〜5kg 落ちた |
| そのあと | ジムでの筋トレを追加(週2回) | 体重は落ちていた。見た目が変わらなかったので始めた |
| ジム開始から半年以上 | 筋トレを継続 | ここで初めて「見た目が変わった」と感じた |
| 現在 | 週5回以上 | 継続中 |
最初の期間にやったのは食事だけです。運動を「あとで足そう」と思っていたわけでもなく、単純にやっていませんでした。それでも体重は動いています。
なので、「運動なしで体重が落ちるか」への答えは、自分の場合は落ちたです。ここは一般論のとおりで、疑っていません。問題はこの先にありました。
落ちた量を、体重に対する割合に直す
「3〜5kg落ちた」と書くと、それなりの成果に見えます。ただ、開始時の体重で割り戻すと印象が変わります。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 開始時の体重 | 92kg |
| 運動なしで落ちた量 | 3〜5kg |
| 体重に対する割合 | 約3〜5% |
| 落ちたあとの体重 | 87〜89kg |
約3〜5%です。体重計の数字としては大きく見えても、体全体に薄く広がった3〜5%が、鏡の中で分かるかというと別の話でした。
以前、25kg増えるまでを1日あたりに割った記事を書きましたが、割り算をすると印象がひっくり返るのは、増やすときも減らすときも同じでした。
体重計は動いたのに、鏡は動かなかった
この時期の状態を正直に書くと、こうです。
体重計の数字:動いている
鏡に映る自分:変わっていない
数字が動いているのだから間違ってはいないはずなのに、見た目は何も変わらない。このとき自分が出した結論は「食事だけでは足りない」でした。それがジムに行った理由です。
いま振り返ると、この結論が正しかったかどうかは分かりません(後半でその話を書きます)。ただ、事実として自分はそう判断して、次の行動を決めました。
それでジムに行った。週2回から
始めたのはジムでの筋トレで、頻度は週2回でした。今は週5回以上行っていますが、入口はそこではありません。
体重を落とす局面で筋トレを足す意味は、消費を増やすこと以上に、落ちていく過程で筋肉まで一緒に減らさないことにあります。1日の消費エネルギーのうち身体活動が占めるのは約30%で、しかもそれは通勤や家事を含んだ数字です。週2回のジムがそこに足せる分は、正直わずかです。
つまり、週2回のジムは「消費を増やす手段」としてはほとんど効いていなかったはずです。効いたとすれば、落としている最中に体の中身を保つ側でした。減量中にたんぱく質を意識する話は別記事に書いています。
見た目が変わるまで、半年以上かかった
ここが、自分が一番書いておきたかったところです。ジムを始めて、見た目が変わったと感じるまでに半年以上かかりました。
回数に直すと、こうなります。
週2回 × 半年(約26週)= 約50回
食事だけの1〜3ヶ月 + 半年以上 = 開始から 少なくとも8〜9ヶ月
約50回やって、ようやくです。1回や2回で何かが起きるという話ではまったくなく、10回でも20回でもありませんでした。
そして、92kgから数えると、見た目が変わったと感じるまでに8〜9ヶ月以上かかっている計算になります。ダイエットの記事でよく見る「1ヶ月で」「2週間で」という単位とは、桁が違いました。
「運動なしで痩せる」とのずれ
一般論として書かれていることと、自分の実際を並べます。矛盾しているわけではなく、答えている質問が違ったという話です。
| よく言われること | 自分の場合 |
|---|---|
| 運動なしでも痩せられる | 体重については本当だった。運動ゼロで3〜5kg落ちている |
| 消費の内訳では身体活動は約30%。運動で削るより食事を変えるほうが速い | 体重を落とす話としては、実感と一致していた |
| まずは体重を落とすところから | 落ちた。それでも鏡はまったく変わらなかった |
| 見た目を変えたいなら筋トレ | 正しかった。ただし自分が変化を感じるまで半年以上かかった |
一般論はどれも間違っていません。ただ、全部「体重の数字」についての答えでした。自分が困ったのは、数字が動いているのに見た目が変わらない期間のほうです。
質問を2つに割ると、答えが出る
「運動なしで痩せられますか」という問いには、2つの質問が混ざっています。分けると、自分の経験からはそれぞれこう答えられます。
Q. 体重の数字を下げたい
運動なしで下がりました。自分は1〜3ヶ月で3〜5kg。ここは食事だけで動きます。
Q. 見た目を変えたい
自分の場合、3〜5kg落ちても変わりませんでした。変わったと感じたのは、筋トレを約50回積んだあとです。
どちらを目的にしているかで、「運動をやらない」という選択の意味が変わります。体重が目的なら合理的な省略です。見た目が目的なら、そこを省いた分だけ時間がかかる、というのが自分の通った道でした。
もうひとつ、実用的なことを書いておきます。体重が落ちているのに鏡が変わらない時期は、失敗ではありません。自分はその時期に「効いていない」と判断しましたが、数字のほうは確かに動いていました。落ち続けているかどうかは体重で確認して、見た目は別の時間軸で待つ。分けて見るほうが、途中でやめずに済むはずです。
この記事の弱いところ
都合の悪い点も書いておきます。
- 記録がない。当時は体重も食事もほとんど測っていませんでした。この記事の数字が全部「3〜5kg」「1〜3ヶ月」「半年以上」と幅なのはそのためです
- 「見た目が変わった」は主観。写真も体脂肪率の記録も残っていません。誰かに測ってもらった数字ではなく、自分がそう感じたという以上のものではない
- 1人の1例。開始体重92kgの成人男性の話です。年齢・性別・開始時の体重が違えば、同じ順番で同じ時間がかかるとは限らない
- 因果は証明できていない。3〜5kg(約3〜5%)で見た目が変わらなかったのは、運動をしていなかったからではなく、単に落ちた量がまだ少なかっただけかもしれません。食事だけをもっと長く続けていれば見た目も変わった可能性はあります。自分はそれを試していないので、分かりません
最後の点は特に正直に書いておきたいところです。自分がやったのは「食事だけ→途中で筋トレを追加」の1本道で、比較対象がありません。なのでこの記事は「運動を足したから見た目が変わった」の証明ではなく、そういう順番で進めた人間が、何にどれだけ時間がかかったかの記録として読んでください。
運動を新しく始めるときは、持病がある人、関節や腰に不安がある人、長く運動から離れていた人ほど、いきなり強度を上げないでください。気になることがあれば先に医療機関に相談してください。自分は週2回から始めています。
まとめ
- 92kgから落とし始めた最初の1〜3ヶ月は運動ゼロ。それでも3〜5kg落ちた。「運動なしで体重は落ちるか」への答えは、落ちる
- ただし92kgに対する3〜5kgは約3〜5%。体重計は動いたが、鏡はまったく変わらなかった
- それで週2回の筋トレを足した。見た目が変わったと感じたのは、そこから半年以上あと=約50回積んだ時点
- 開始から数えると少なくとも8〜9ヶ月。「1ヶ月で」「2週間で」とは桁が違った
- 「運動なしで痩せられますか」は、体重の話か見た目の話かで答えが変わる。体重なら省略していい。見た目なら、省いた分だけ時間がかかる
- 当時の記録が残っていないので数字はすべて概数。比較対象もない1例であって、証明ではない
体重が落ちているのに鏡が変わらない時期は、たぶん多くの人が通ります。自分はそこで「食事だけでは足りない」と判断しましたが、少なくとも数字が動いているうちは、何も失敗していません。見た目のほうは、こちらが思っているよりずっと遅れてついてきます。
参考・出典
- 身体活動とエネルギー代謝(厚生労働省 健康づくりサポートネット(e-ヘルスネット))
- 肥満と健康(厚生労働省 健康づくりサポートネット(e-ヘルスネット))
- たんぱく質(厚生労働省 健康づくりサポートネット(e-ヘルスネット))
この記事を書いた人
motsuサクメシ運営 / フィジーク大会入賞会社員をしながら筋トレとダイエットを10年以上続け、フィジーク大会で入賞。90kg台からの減量を経験しています。自分の食事記録と失敗の積み重ねをもとに、続けられる食事管理の方法を発信しています。
プロフィールを見る →本記事は健康的な食生活に関する一般的な情報提供を目的としたもので、医師による診断・治療・処方に代わるものではありません。持病のある方、妊娠中・授乳中の方、通院・服薬中の方は、食事内容を変更する前に主治医または管理栄養士にご相談ください。
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