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1日の摂取カロリーの目安|自分に必要な数字の出し方

motsuサクメシ運営 / フィジーク大会入賞公開 2026-07-26 / 更新 2026-09-23

「ダイエット中は1日1,500kcal」——よく見る数字ですが、これは誰かにとっての正解であって、あなたの正解ではありません。

身長160cmの40代女性と、身長180cmで週3回運動する20代男性では、必要なカロリーが1,000kcal以上違います。同じ数字を目指したら、片方は痩せず、片方は栄養不足になります。

この記事では、自分に必要なカロリーを自分で出す方法を、電卓ひとつでできる形にして解説します。急ぐ方は次の結論だけ読んでください。


結論:先に数字だけ知りたい人へ

減量中の1日の摂取カロリーの目安

維持カロリー −300〜500kcal(ただし1,200kcalは下回らない)

維持カロリーがまだ分からない人向けのざっくり値:デスクワーク中心なら体重1kgあたり25〜30kcalが維持カロリーの目安です。体重60kgなら約1,500〜1,800kcal、体重80kgなら約2,000〜2,400kcal。

この「25〜30kcal」は、後述の計算式に一般的な体格を入れて割り戻した幅です。あくまで出発点なので、年代別の早見表か3ステップの計算で自分の数字に置き換えてください。年齢と活動量で200〜500kcalは簡単に変わります。


「1日1,500kcal」が当てにならない理由

必要カロリーは、次の5つでほぼ決まります。

✓

体重

体が大きいほど、じっとしていても消費するエネルギーは多い。ここが最も影響が大きい。

✓

身長

同じ体重でも背が高いほど体表面積が広く、消費が増える。

✓

年齢

年齢とともに基礎代謝は下がる。20代と50代では同じ体格でも150〜200kcal違う(後述の早見表で実際の差が見られます)。

✓

性別

平均すると男性のほうが筋肉量が多く、基礎代謝が高い。

✓

活動量

デスクワーク中心か、立ち仕事か、週に何回運動するか。ここで最大3割変わる。

つまり、雑誌やSNSで見た数字をそのまま使うのは、他人の靴を履くようなものです。大きすぎれば脱げるし、小さすぎれば足を痛めます。


計算は3ステップで終わる

1. 基礎代謝(BMR)を出す

1日じっと寝ていても消費するエネルギー。体温維持や内臓の活動に使われる分で、総消費の6〜7割を占める。

2. 活動量をかけて消費カロリー(TDEE)にする

BMR に活動係数をかけると、生活込みで1日に消費する総カロリーが出る。これが「維持カロリー」。

3. 目標に応じて増減させる

痩せたいなら TDEE から引く、増やしたいなら足す。この最後の引き算がダイエットの本体。

BMR の計算式(ハリス・ベネディクト式)

男性

88.36 +(13.40 × 体重kg)+(4.80 × 身長cm)−(5.68 × 年齢)

女性

447.59 +(9.25 × 体重kg)+(3.10 × 身長cm)−(4.33 × 年齢)

サクメシの診断も、この記事とまったく同じ式で計算しています。記事の数字とサービスの数字がずれないようにするためです。

活動係数(BMR にかける数字)

運動の頻度係数こんな人
ほぼ運動しない1.2デスクワーク中心・通勤も座りがち
週1〜2回1.375たまにジム・週末に運動する
週3回以上1.55習慣的にトレーニング・立ち仕事

迷ったら低めを選ぶのが安全です。人は自分の活動量を多めに見積もりがちで、高い係数を選ぶと「食べていいはずなのに減らない」状態になります。


実際に計算してみる

例1:35歳女性・身長160cm・体重60kg・ほぼ運動しない

  • ・BMR = 447.59 +(9.25×60)+(3.10×160)−(4.33×35) = 約1,347kcal
  • ・TDEE = 1,347 × 1.2 = 約1,616kcal(この量なら体重は変わらない)
  • ・−500kcal だと 1,116kcal で下限割れ → −300kcal の 約1,316kcal に設定

例2:28歳男性・身長175cm・体重80kg・週1〜2回運動

  • ・BMR = 88.36 +(13.40×80)+(4.80×175)−(5.68×28) = 約1,841kcal
  • ・TDEE = 1,841 × 1.375 = 約2,531kcal
  • ・減量目標 = 2,531 − 500 = 約2,031kcal

同じ「ダイエット中」でも、目標カロリーが1,316kcal と 2,031kcal。700kcal以上の差があります。世の中の「1日1,500kcal」がいかに乱暴な数字か分かると思います。

なぜ −500kcal なのか
体脂肪1kgを減らすには約7,700kcalの赤字が必要です。1日500kcalの赤字なら、7日で3,500kcal=週あたり約0.45kgのペース。これが続けやすさと確実さのバランスが取れた標準的な設定です。−300kcalなら週あたり約0.27kg、1ヶ月で約1.2kgのペースになります。


年代別・体格別の早見表

計算が面倒な人向けに、上の式をそのまま使って維持カロリーを計算した表を用意しました。いずれも活動係数1.2(ほぼ運動しない)の値です。減量目標はここから300〜500kcal引いてください。

女性・維持カロリー(運動習慣なし)

体格20代30代40代50代
150cm / 50kg1,5201,4701,4201,360
155cm / 55kg1,5901,5401,4901,440
160cm / 55kg1,6101,5601,5101,460
160cm / 60kg1,6701,6201,5601,510
165cm / 65kg1,7401,6901,6401,590

男性・維持カロリー(運動習慣なし)

体格20代30代40代50代
165cm / 60kg1,8501,7801,7101,650
170cm / 70kg2,0401,9701,9001,840
175cm / 75kg2,1502,0802,0101,950
175cm / 85kg2,3102,2402,1702,110
180cm / 80kg2,2602,1902,1202,050

この表から読み取れること

  • ・年代が1つ上がるごとに約50kcal下がる。20代と50代では同じ体格でも150〜200kcalの差。
  • ・体重が10kg違うと150kcal前後変わる。痩せるほど維持カロリーも下がっていく。
  • ・週1〜2回運動する人は、表の値を1.15倍(1.375÷1.2)してください。週3回以上なら1.3倍です。

※ 推定式による目安です。同じ体格でも筋肉量によって実際の代謝は変わります。表の値から始めて、体重の動きで補正してください。


女性は「−500kcal」が使えないことが多い

上の女性の表をもう一度見てください。維持カロリーは1,360〜1,740kcalの範囲です。ここから定番の−500kcalを引くと、860〜1,240kcal。ほぼ全部が下限の1,200kcalを割り込みます。

「−500kcal」はネット上でいちばんよく見る設定ですが、体格の大きい男性を念頭に置いた数字です。女性がそのまま使うと、最初から続かない設定になります。

女性におすすめの組み立て方

  • ・赤字は−300kcalから始める(週あたり約0.27kg、1ヶ月で約1.2kgのペース)
  • ・足りない赤字は活動量で作る。1日の歩数を+3,000歩増やすほうが、食事を100kcal削るより続きます
  • ・それでも1,200kcalを割るなら、減量ペースのほうを落とす。期間を延ばすのが正解です

運動を増やすのがハードルなら、運動なしで痩せる食事の組み立て方も参考にしてください。


減らしすぎの危険ライン

計算結果が低く出ても、1日1,200kcalを下回る設定はしないのが基本です。理由は「つらいから」ではなく、実際に不利になるからです。

⚠️ 必要な栄養素が物理的に入らない

1,200kcalを切ると、タンパク質・鉄・カルシウムなどを食事だけで満たすのがかなり難しくなる。

⚠️ 筋肉が削れて代謝が落ちる

極端な赤字では脂肪だけでなく筋肉も分解される。筋肉が減ると維持カロリーも下がり、後で痩せにくくなる。

⚠️ 反動の食欲が強くなる

強い制限のあとの過食はほぼ生理的な反応。意志の問題ではないので、我慢で対抗しても勝てない。

⚠️ 続かないので結局リバウンドする

3日で挫折する1,000kcalより、3ヶ月続く1,600kcalのほうが最終的に減る。

計算上の目標が1,200kcalを割り込む場合は、赤字を−300kcal程度に緩めるか、活動量を増やして分母を上げるほうが現実的です。


92kgの頃に計算して分かったこと

自分(173cm)が92kgあった頃、この計算を初めてやりました。デスクワーク中心なので活動係数は1.2。出てきた維持カロリーは約2,350kcalでした。

当時の食事を書き出して積み上げると、1日あたり2,400〜2,900kcal。飲んだ日は2,900kcal前後でした(92kgの頃に食べていたものを書き出した記事に内訳があります)。

つまり維持カロリーちょうど〜少し上を毎日食べていたわけです。暴食していた自覚はまったくありませんでしたが、数字にすると「増えも減りもしない量」をきれいに維持していました。92kgで止まっていたのは意志の弱さではなく、単に計算どおりでした。

もうひとつ、あとから効いてきたのが維持カロリーは痩せると下がるという点です。同じ173cm・同じ年齢で計算すると、92kgのときの維持カロリーが約2,350kcal、78kgになった今は約2,120kcal。14kg落とした結果、1日あたり約230kcal分の余裕が消えています。

これを知らずに「最初に決めた数字」を守り続けると、ある時点から必ず止まります。自分も一度そこで止まり、原因が分からず食事を減らしすぎて反動の過食に振れました。体重が動いたら計算もやり直す。これだけで防げます。


2週間ごとの微調整のしかた

計算で出した数字は推定なので、最初から当たっているとは限りません。2週間の体重の動きを見て補正するのが現実的な運用です。

2週間の体重変化やること
−0.5〜−1.0kgちょうどいいペース。数字は変えない
ほぼ変わらない目標を100〜200kcal下げる。または活動量を増やす
−1.5kg以上速すぎ。100〜200kcal戻す。筋肉が落ちている可能性が高い
増えた記録の漏れを疑う。3日だけ調味料・飲み物まで全部書き出す

比べるのは毎朝の体重そのものではなく、1週間の平均値どうしです。体重は水分と食事内容で1〜2kg簡単に動くので、日々の増減を見ても判断できません。詳しくは体重を週平均で見る話にまとめています。


よくある勘違い

❌ 計算結果は1kcal単位で正しい

推定式なので誤差は当然あります。2週間の体重推移を見て、減らなければ100〜200kcal下げる、という運用で十分。数字は出発点であってゴールではない。

❌ 運動した分を全部食べていい

アプリやウォッチの消費カロリー表示は多めに出がち。「運動したから追加で食べる」は赤字を消しやすい典型パターン。

❌ カロリーさえ守れば中身は何でもいい

同じ1,500kcalでも、タンパク質が足りないと筋肉が落ちる。カロリーは枠、PFCは中身。両方いる。

❌ 毎日ぴったり守らないと意味がない

見るべきは週の合計。飲み会の日に超えても、他の日で調整すれば流れは変わらない。

❌ 基礎代謝ぶんだけ食べれば安全

基礎代謝は「寝たきりの消費量」なので、それを目標カロリーにすると赤字が大きくなりすぎる。基準にするのは基礎代謝ではなく維持カロリー(TDEE)。


よくある質問

Q. 計算した数字と、アプリで出た数字が違います

A. 使っている計算式が違うためです。ハリス・ベネディクト式、国立健康・栄養研究所の式など複数あり、同じ体格でも数百kcalの差が出ます。どれが正解かを探すより、ひとつ選んで固定し、2週間ごとの体重の動きで補正するほうが実用的です。

Q. 1日の摂取カロリーは、毎日ぴったり守らないと意味がない?

A. 1日単位ではなく1週間の合計で見てください。体脂肪1kgは約7,700kcalなので、1日の数百kcalのズレが体脂肪に直結することはありません。飲み会で超えた分を翌日から数日かけてならせば、週の赤字は保てます。

Q. 運動した分は食べ足してもいいですか?

A. 全部は足さないほうが安全です。ウォッチやアプリの消費カロリー表示は多めに出る傾向があり、表示どおり食べ足すと赤字が消えます。どうしても足すなら表示の半分までにしてください。

Q. 計算結果が1,200kcalを下回りました

A. その数字では設定しないでください。赤字を−300kcal程度に緩めるか、歩数や活動量を増やして維持カロリー側を引き上げます。1,200kcalを切ると必要な栄養素が食事だけでは満たしにくくなり、筋肉も削られます。

Q. 体重が減ったら計算し直す必要はありますか?

A. あります。体重が下がれば基礎代謝も維持カロリーも下がります。目安として体重が3〜5kg動いたら、または1ヶ月に1回は計算をやり直してください。開始時の数字のまま続けると、いつか赤字が消えて停滞します。

Q. 活動係数はどれを選べばいいか分かりません

A. 迷ったら低いほうです。人は自分の活動量を多めに見積もる傾向があり、高い係数を選ぶと「計算どおり食べているのに減らない」状態になります。低めで始めて、減りすぎたら上げるほうが調整しやすいです。

Q. カロリーだけ守れば中身は何でもいいですか?

A. カロリーは枠、PFC(タンパク質・脂質・炭水化物)は中身です。同じ1,500kcalでもタンパク質が足りないと筋肉が落ち、維持カロリーがさらに下がります。枠が決まったら次はPFCに割り振ってください。


数字を決めたあとにやること

カロリーが決まっても、それだけでは献立になりません。次にやることは2つです。

① PFCに割り振る

タンパク質・脂質・炭水化物の配分を決める。タンパク質は体重1kgあたり1.2〜1.6gを目安に確保するのが優先。手順はPFCバランスの計算方法にまとめています。

② 具体的な献立に落とす

ここが一番の関門。毎食カロリーを調べて組み立てるのは、まず続きません。仕組みで解決するのが正解。

サクメシは、この記事の計算をそのまま自動でやります。年齢・身長・体重・活動量・目標を答えるだけで、BMR・TDEE・目標カロリー・PFCを計算し、その数字に沿った7日分の献立まで一気に作ります。電卓を叩く必要はありません。


まとめ

  1. 1.必要カロリーは体重・身長・年齢・性別・活動量で決まる。共通の正解はない
  2. 2.手順はBMR → ×活動係数 → −300〜500kcalの3ステップ
  3. 3.1,200kcalは下回らない。女性は−500だとほぼ割り込むので、−300から始める
  4. 4.数字は出発点。2週間の体重平均を比べて微調整する運用が現実的
  5. 5.痩せると維持カロリーも下がる。体重が3〜5kg動いたら計算し直す

自分の数字が分かったら、あとはそれを毎日の食事に変えるだけです。サクメシなら計算から献立まで無料でまとめて作れるので、まずは自分の数字を見てみてください。

参考・出典

この記事を書いた人

motsuサクメシ運営 / フィジーク大会入賞

会社員をしながら筋トレとダイエットを10年以上続け、フィジーク大会で入賞。90kg台からの減量を経験しています。自分の食事記録と失敗の積み重ねをもとに、続けられる食事管理の方法を発信しています。

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本記事は健康的な食生活に関する一般的な情報提供を目的としたもので、医師による診断・治療・処方に代わるものではありません。持病のある方、妊娠中・授乳中の方、通院・服薬中の方は、食事内容を変更する前に主治医または管理栄養士にご相談ください。

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